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平成24年度 第6回組込みシステム研究会実施報告

日  時   平成25年2月23日(土) 9:00~12:30
開催場所  本校B棟3階 302教室
参 加 者  神奈川県内の高等学校の先生方
講  師   鈴木美朗志(マイコン・ロボット科講師)
助  手   葛西湧太(マイコン・ロボット科2年)大木佑介(マイコン・ロボット科1年)
内  容   圧電振動ジャイロモジュールを使用した緊急電源停止回路の製作

作品概要:

今回の作品は、圧電振動ジャイロを2つ使用し、振動センサとして利用しています。地震を想定し、圧電振動ジャイロモジュールが左右前後のどちらかの角速度を検出すると、交流100Vの負荷電源が落ちる仕組みになっています。8ピンマイコンPIC12F683を使い、プログラムの書き込みをします。配線は、はんだごてを使った手配線で作ります。なお、部品には、交流100V負荷は付属していません。

作品

        表面                            裏面 

資料

      
 
          図1 回路図                図2 圧電振動ジャイロの動作原理 

回路の動作原理の説明

回路図1の押しボタンスイッチPBS1を押すと、交流100Vの負荷に通電し、赤色LEDが点灯します。圧電振動ジャイロモジュールが左右前後のどちらかの角速度を検出すると、負荷電源は落ちます。
圧電振動ジャイロの静止時の出力電圧は1.35Vであり、左右あるいは前後の振動の向きによって、1.35Vを基準にして、プラス・マイナスの高低出力電圧が発生します。
このアナログ電圧をPIC12F683のA-Dコンバータがデジタル値に変換し、変換デジタル値に応じてSSR(ソリッドステートリレー)の電源を切ることで、交流100Vの電源が停止します。
PBS2はリセットスイッチです。

圧電振動ジャイロの動作原理

圧電振動ジャイロは、コリオリの力という力学現象を利用しています。
図2(a)に示す振り子のように、X軸方向に単振動を繰り返している物体があるとします。この物体に、Z軸まわりに回転角速度を加えると、振り子の運動のX軸方向に対して、垂直のY軸方向にコリオリの力が発生し、振り子はやがて円を描くように動きだします。
図2(b)は、圧電振動ジャイロの電気信号を検出する原理です。
圧電セラミック素子に電圧を加えると、X軸方向に振動をくり返します。この振動の動きは図2(a)の振り子の振動に相当します。この圧電セラミック素子をZ軸周りに回転させると、コリオリの力がY軸方向に発生し、Y軸に貼り合わせた別の圧電セラミック素子がコリオリの力によって歪み、この歪みを電気信号(電圧)として取り出すことができます。この電圧の大小は回転角速度の大小を表し、角速度を検出できます。

制作実習の様子 

毎度、ご好評をいただき、大変感謝しております。次回も是非ご参加ください。

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